特定医療法人 研精会 様
Workspace ONEで、各事業所にあるモバイルデバイスを一元管理。
現場職員が患者、利用者への対応に集中できる環境を実現
東京と神奈川を中心に、病院や介護老人保健施設、有料老人ホームを10施設、そのほかクリニックや看護専門学校など、合計20近い事業を展開する研精会。最新ITを活用した「先進的な介護・医療サービス」を志向する同法人では、スタッフのより効率的な働き方を実現するため、従前から多数のモバイルデバイスを導入し活用していた。 2021年、新たな施設の建設・開業に合わせてモバイルデバイスを追加するにあたり、MDM(Mobile Device Management)ソリューションの導入を計画。Omnissa(導入当時VMware)の「Workspace ONE」を選定し、2022年夏に導入。その後、他の研精会事業所で使用する端末にも管理対象を展開、同法人が使用している200台に及ぶモバイルデバイスを本部の情報システム部門で一元的に管理できる環境を整えた。
多数のモバイルデバイスを手作業で管理。
増え続けるデバイスを一元管理したい
精神科医療や、精神疾患を抱える方への生活支援・就労支援、高齢者医療や介護、リハビリテーション、小児医療などに取り組み、東京・神奈川のほか、中国の上海市でも介護施設を運営している、研精会グループ。
同法人が運営する病院、各種施設では、iPhone、iPadをはじめとする多数のモバイルデバイスを導入している。これは、スタッフがより効率的に働き、患者や利用者への対応をより丁寧に効果的に行えるようにするためのものである。他方、利用するモバイルデバイスが増えるに従って、現場での管理コストも増大するという課題が発生していた。
そんな折、2021年夏ごろのこと、研精会では新たな老人ホームの建設計画が持ち上がった。
「理事長の発案により、新たに作るホームは『誰もが憧れる、デジタルを活用した先進的で綺麗な有料老人ホーム』を目指すことに。計画を練り、どんなシステムを入れるのか、ナースコールやLANの配線はどうするのか、などを具体化していく中で、どうしても多数のモバイルデバイスを管理するソリューションが必要だという結論になりました」
こう語るのは、法人本部情報システム室の諏訪弘樹室長。同氏は、法人として利用するモバイル端末の数が増加し続けていたことから、いずれ一元管理するための方策は講じる必要があったと語る。
「新たな施設ではiPhoneとiPadを全部で40台近く用意するという話になり、その管理をどうやっていくのか。法人全体では200台、300台の端末がある中でどうしていくのか。それを考えると、MDMの導入は不可欠という判断になりました」
端末が増えれば当然、個々の機器の設定やインストールされるアプリの管理など保守管理作業も必要。加えてセキュリティ面での対策、紛失対策も求められていた。
「端末が増えると、当然紛失の確率も上がりますし、セキュリティ面の問題が出ることも考えられます。トラブルに巻き込まれないよう職員の身を守るためにも、デバイスの一元管理が大事です」と諏訪氏は付け加える。
Workspace ONE導入以前は、各施設のスタッフが端末のアカウントIDの管理や、アプリのインストールなどを行っていた。同法人の介護老人保健施設「デンマークイン若葉台」で介護科長を務める加藤香織氏は、当時の端末管理の煩雑さを次のように語った。
「端末管理はすべて手作業でした。紙に施設で保有する台数分のIDが記録されていて、入力も一台ずつ個別にやっていました。当然、新しいアプリを使うにも1台ずつ手作業。ふだんの業務で使っている端末なうえ、介護施設は24時間365日泊らずに動いていますから、全部の端末を一気に処理することもできず、大変でした」

法人本部 情報システム室室長
諏訪 弘樹 氏

介護老人保健施設デンマークイン若葉台 介護科長
加藤 香織 氏
「ほぼ一択」のソリューション選定。
導入もスムーズでトラブルフリー
2022年の4月ごろから導入ソリューションの検討が行われ、6月に決済がおり、導入スタート、7月1日の新規施設オープンにあわせて利用を開始。導入決定からは非常にスピーディーに事が進んでいった。
同法人でWorkspace ONEの導入に至った決め手について、諏訪氏は次のように語る。
「他社製品では、新規端末の導入では問題なくても、すでに法人で保有している既存の端末が入らないとか、事前登録が必要で入れるのが大変、という問題がありました。今後もどんどんと管理する端末が増えていく見込みなので、その点も考慮してWorkspace ONEの導入を決定しました。当初からほぼ一択、という存在でしたね」
システムの導入に際しては、ウィザースの支援を受けつつ、 同法人の情報システム室による作業のみで、特にトラブルもなくスムーズに完了できたという。
「強いて言えば、導入後にMacが必要になった、というくらいです。当法人では主にiPhoneとiPadを使っているのですが、新規端末の導入だけならMacは不要ということだったのでその線で進めていたところ、やはりMacが1台あったほうがスムーズにいくということで、追加でMacBookを導入しました。その分の予算は確保していなかったので、そこだけは苦労しましたね」と諏訪氏は笑いながら語った。

モバイルデバイスの一元管理によって、
職員がそれぞれの業務に集中できるように
こうしてWorkspace ONEの導入により、遠隔でのアプリ一括インストール、紛失時の遠隔ロック、追跡など、モバイルデバイスの一元管理に必要な機能を実現することができた研精会。導入後は、これまで面倒だった個々の端末の登録や設定についても、効率的に行えるようになったという。Workspace ONEで個別の端末設定を担当した、情報システム室の横山健太氏はこう振り返る。
「キッティングは1台あたり30分、慣れると15分ほどで完了できます。最初の設定だけこちらで済ませておけば、その後のアプリインストール作業なども一括、かつ遠隔でできます。以前、まとめて50台、60台と施設から直接回収して手作業で行っていたのに比べると雲泥の差ですね。物理的に集めなくてよいだけでもはるかに効率的です」
また、デンマークイン若葉台の事務局長を務める相良淳氏も、Workspace ONEの導入効果について太鼓判を押す。
「これまでのように、現場のスタッフが管理するのでは手間も掛かりますし、時間も取られてしまう。デバイスのIDやアプリの管理を本部の情報システム室に集約できたことで、施設単位では端末に関するトラブル対処に時間を取られることはなくなります」
先に登場した加藤氏もWorkspace ONEによるモバイルデバイス一元管理の効果を実感しているという。
「個々の職員はWorkspace ONEを直接使うわけではないのですが、導入によって情シスに丸投げできるようになった、というのが一番ありがたいですね。やはり私たちは介護専門。介護業務に専念でき、より利用者様と向き合える時間を作れる、ということが一番大きなメリットだと思います」

法人本部 情報システム室
横山 健太 氏

介護老人保健施設デンマークイン若葉台 事務局長
相良 淳 氏
PCも含めた統合的端末管理や、
BYOD推進にあたってのサポートにも期待
このように、研精会ではWorkspace ONE導入により、煩雑な端末管理を情報システム室のもと、一元化することができた。現場は患者、利用者への対応に集中することができ、また情報システム部門の側でも、ITに不慣れな各現場に端末管理を委任するという不安から解放されたのである。
情報システム室長の諏訪氏は、同法人が抱える今後の課題として、PCも含めた統合的な端末管理やBYOD(個人所有デバイスの業務利用)における端末管理などを挙げる。
「特に若手職員から、自分の持つデバイスを一部業務に使えたらいいのに、という話も上がってきています。法人側で全員に1台ずつ端末を用意できるわけではないので、うまく活用していきたいところですが、セキュリティ面を含めた利用ポリシーの策定など、BYODについては今すぐに対応できるわけではありません。今後の課題ですね。あとは、デバイスの管理の延長として、職員の位置情報や行動履歴の把握や出退勤管理との連携など、チャレンジしたいことは多々あります」
同法人では今後さらなる管理対象モバイルデバイスの増加が見込まれている。より一層、現場で働く人が苦労せずにITを使いこなすためのサポートに期待したい、と諏訪氏は締めくくった。
お客様プロフィール

住所 | 〒182-0005 東京都調布市東つつじケ丘2-27-1 |
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設立 | 1971年 4月 |
従業員数 | 1,502名 |
URL | https://www.kenseikai-group.or.jp/ |
法人理念 | 「つなぐ、ひろがる、つづく」をスローガンに、「医療・介護・福祉の新時代を切り拓く」をミッションに掲げ、人々の健康を支え豊かな世界を創る |
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